理事長ブログ「忘己利他」1

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

話力総合研究所
理事長

  第1回「ともに学ぼう!よりよく生きるための理論を!!」

 なんとも生きにくい世の中です。かの文豪 夏目漱石が小説「草枕」の冒頭に記しています。「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

 草枕は明治39年(1906年)に発表されています。それから100年以上、時代は進んだはずです。しかしながら、人と人のかかわりはますます希薄になって、「住みにくい」を通り越して、いまや「生きにくい」時代と言っても過言ではないでしょう。

 ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデ(19291995)は、次のようなことを言っています。「今の科学の理論には人間が出てこない。人間を無視した科学の成果は、やがて人間を排除する方向に働く。人間を無視しない科学とその思考が必要だ。人間の尊厳を考慮している科学、科学者は常にこれを意識しなければならない。」

 E=mc²の方程式から原子爆弾が生まれました。そのような特別なことをあげるまでもなく、私たちに身近な日常すら刻々と人を排除する方向に進んでいないでしょうか。恐ろしい社会が迫っているかもしれないのです。そう思えてならない日常にたびたび遭遇します。

 電車内のできごとです。座っている男性の両側に多少の空間があります。詰めれば人が一人十分に座れる程度です。その前に男性が一人立っています。どうも座りたいような表情を浮かべています。しかし、無言で立っています。ひとこと「ちょっと詰めてくださいませんか?」と言えばすむはずです。ことばをかけないということは、結果として相手を無視していることになりますね。座っている男性はといえば、スマートフォンの操作に夢中です。ゲームをしているのでしょうか。前に人が立っていることには気づいているはずです。しかし、無言でゲームをしています。共感性がないですね。ちょっと詰めて、「どうぞ」と声をかけてあげればすむはずです。結果として、相手を無視しているのです。これは、一例ですが、日常生活の中で、「共感性ゼロとコミュニケーション力ゼロ」の人間関係が増えてきていませんか。皆さんのまわりはいかがでしょうか。

 現代は凄まじい勢いで、いわゆるAI(人工知能)が発達してきています。その社会を「AI社会」、その時代を「AI時代」という専門家が現れています。「AI時代に求められる究極の能力はコミュニケーション能力」という専門家の話を聴きました。「必要な能力」を超え、「究極の能力」だそうです。それだけ、社会全体がコミュニケーション能力に不安を感じているのではないでしょうか?

 天台宗の開祖 最澄(伝教大師、767-822)は、比叡山延暦寺を建て、多くの優秀な若い僧を育てました。浄土宗の開祖 法然も、浄土真宗の親鸞も、曹洞宗の道元も、日蓮宗の日蓮も、そうそうたる偉人が若い頃、この延暦寺で学んだのです。最澄は育成方針の一つとして「忘己利他」を掲げました。自身(己)を忘れ、他(他人)を生かすという意味だと理解しています。私もこの精神を心がけ、多くの皆さんとともに、コミュニケーション能力を磨いていきたいと思っています。幸いにも、私どもの手元には、60年以上の歳月をかけ、日本の文化、日常の中で積み上げてきた、コミュニケーション能力を磨くための体系だった理論があります。これをご紹介しながら、皆さんとともに実践していきたいと思います。ぜひ、共に学んでいきましょう。

 

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