理事長ブログ「忘己利他」34

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

第34回 話の効果をあげる表現の三原則

話力総合研究所 理事長
NHK 取材

~ 原則その二 正確に話す ~

 前回は表現の三原則のその一「感じよく話す」ということをお話ししました。聴き手が話の効果の決定権を握っているのですから、聴いてもらうためにも聴き手に「感じよい」印象を与える話し方が求められるのです。

 表現の三原則その二は「正確に話す」です。聴き手に誤解を与えないように「正確に話す」ことが大切です。具体的には次の点を意識なさってください。

①筋道立てて話す

 話がずれたり、飛んだりしないように順序良く話すよう心がけます。論理的に矛盾したり、破綻することがないように気をつけましょう。

 以前の話です。夏の暑い日でした。通りを歩いていますと、洋菓子店の前で、店員が通行人に声をかけていました。「焼きたてのケーキはいかがですか?良く冷えていますよ!」私は「はてな!?」少々考えてしまいました。「焼きたて?良く冷えている?。。。」まあ、そんなに考えるほどのことではないですよね。言い間違えただけです。「できたてのケーキはいかがですか?良く冷えていますよ」ですね。しかし、ちょっとした言い間違えが聴き手を混乱させることもあるので注意が必要です。聴き手が余計なことを考えてしまうと、その後の話を聴けなくなってしまいます。

 また、「楽しかったことについて話します。」と予告をして話はじめ、「以上、うれしかったことについて話しました。」ずれていますね。「楽しい」と「うれしい」は意味が違います。

 こうした点に注意し、聴き手に誤解を与えないよう筋道立てて話す意識を持ちましょう。

 

②具体的に話す

 抽象的に話すといろいろな解釈が可能になります。話し手と聴き手の感じ方、とらえ方は違います。自分が話そうとすることを正確に伝えたいのであれば、より具体的に話すことが大切です。話し手が頭の中に描いている意味、内容を、ことばを介して聴き手の頭の中に描かせるのです。

 「私の趣味はゴルフです。私はゴルフが大好きです。」「映画が趣味です。この間、良い映画を見ました。」「毎日本を読んでいます。おもしろい本がたくさんあります。」ゴルフが好きなんだ、良い映画を見たんだ、おもしろい本があるんだと、ことばを受けとめることはできます。しかし、こうした表現では、いったいどれほど好きなのか、どのように良かったのか、わかりません。「おもしろい」本は、笑える本だったのか、内容が有益だったのか、話し手が言いたい意味は伝わってきません。聴き手に伝えるには工夫が必要なのです。

 「普段の休日は、お昼頃まで家でゴロゴロしているんです。しかし、ゴルフの日は違います。前日にゴルフクラブの手入れをして、バッグに入れ、枕元に置いておきます。ゴルフ場は近いので、8時に出かければ間に合うのです。なぜか、5時には目が覚めます。前日に手入れしたクラブを出してしまうんです。気づくと、庭で素振りを始めているんです。」これはいかがでしょうか? 「ゴルフが好きだ」とことばでは言っていませんが、伝わってきませんか?

 その場の状況をわからせたい、臨場感を出したいのなら、擬音語を工夫します。擬音語とは物音(擬態語)や鳴き声(擬声語)を表現したことばのことです。「雨が降ってきた」と言っても、どのように降っているかわかりません。ひとこと擬音語を使うだけで様子がわかります。「雨がしとしと降ってきた」「雨がざあざあ降った」「雨がごうごう降っている」「風がそよそよ吹いている」「風がぴゅーぴゅー吹いてきた」「風がごうごういっている」なんとなく状況をイメージできますね。

 また、その場の会話を直接再現して表現するのも場合によっては効果的です。直接話法と言います。かなり以前のことですが、印象深い自己紹介でしたので、今でも覚えています。Kさんが話力講座を受講くださった時のことです。『この講座を受けたかったのですが、先週まで入院していました。おかげさまで、退院し受講できました。入院中は点滴を打たれていました。私は静脈が表面に出てこないので、注射器の針を刺すのが難しいようです。その病院の婦長さんはたいへん上手に一回で刺してくれました。一度、たいへんな思いをしました。研修医の先生です。ブスッ。「あっ」 針抜きます。ブスッ。「あっ」 針抜くんです。何度もやり直します。しまいに腕が腫れてきます。血がにじんできます。私は訴えました。「先生!婦長呼んできてよ。だめだよ!!」先生が応えます。「Kさん。私も研修医としてプライドがあります。最後までやらせてください。」 「先生。。。頼むよ~!。。。」』 たいへん臨場感があって、印象的でした。

 

③共通の意味にとれることばを使う

 大きい、小さい。高い、低い。高い、安い。遠い、近い。広い、狭い。等々。その言葉だけでは、聴き手の理解が話し手と同じとは限りません。話し手と聴き手が共通の意味にとれるよう心がけてください。

 

④共通の方法を用いる

 例えば、直立不動で「あちらをご覧ください」と言ったらどうですか? 皆さんはどちらを向きますか? 右を向く人、左を向く人、左右に首を振る人。「えっ」という表情を浮かべて固まってしまう人。いろいろではないでしょうか? ことばだけでは意味が通じないことがあります。こうした場合は、意図した方向を手で示し、視線を添えてから「あちらをご覧ください」としますね。このような話し手と聴き手が共通の認識にたてる方法を心得ておくことも必要です。

 

 表現の三原則その二「正確に話す」。聴き手に誤解を与えないように「正確に話す」ことを心がけましょう。

 

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