理事長ブログ「忘己利他」36

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

第36回 聴く力が仕事の成果を左右する その一

話力総合研究所 理事長 話力講座(科学編)

~ 聞いていたけど、聴けていたか? ~

 コミュニケーションの重要性を否定する人はめったにいないでしょう。しかし、コミュニケーションについて取り上げると、多くの人が話し方に意識がいくようです。「話し下手を解消したい」「話す力、伝える力をつけたい」「話し方を磨きたい」ということです。私どもの話力総合研究所が主催する「話力講座」にも、「聴き下手をなおしたい。」「聴く力をつけたい。」「聴き方を磨きたい。」という目的で受講される方はほとんどいらっしゃらないですね。

 ところで、「読む、書く、話す、聴く」という「見る」を除く日常活動は、話すより聴くことの割合が高いようです。「自己主張の国」といわれる米国の調査でも「読:書:話:聴=16:9:30:45」という結果だそうです。その他にも類似の調査研究が報告されています。どれも「聴く」割合が最も高いのです。つまり、聴く機会が最も多いということです。それにもかかわらず、多くの方が「話し方」を気にしています。「聴き方」はあまり気にしていない。その証拠に、「話し方教室」「話し方セミナー」は全国でたくさん開催されています。しかし、「聴き方教室」はめったにありません。皆さん「きけている」と思っているのですね。

 本当に「きけていますか?」 「聴き方」をテーマとした話力講座では、どなたか(Aさん)の自己紹介の後に、何人かの方に質問します。「Aさんの自己紹介、聴いてくださいましたね? Aさんの出身はどちらでしたか?」「あれっ。え~と。」「Aさんは、お子さんお二人とのことでしたが、下のお子さんはいくつとおっしゃっていましたか?」「え~。上のお子さんは中学生と言っていたかと。あれっ、下のお子さんも中学生???」こうしたやり取りになることが多いです。皆さん、「聞」いてくださったのです。しかし、「聴」いていたかということです。

 「きく」にはレベルがあるのです。「聞く」英語では「hear」です。聞き流す。聞かされている。聞こえてくる。漠然と聞いているということです。この「聞く」に対して、「聴く」「傾聴」英語では「listen」ですね。これは、耳を傾けて聴く。集中して聴く。意識して聴く。積極的に聴くことです。そしてもうひとつ「訊く」英語では「ask,question」です。「訊く」は「訊ねる」ですね。相手の本音、真意を引き出すように訊ねながら聴くということです。私たちは目的や状況に応じて、この「きく」レベルを使い分ける必要があります。そして、肝心な時は、「聞く」ではなく、「聴く」「傾聴」「訊く」でなければ効果的ではありません。

 「聴く」のは難しいですよ。集中しなければ聴けないです。忙しい時に人の話を聴けますか?余裕がなければ聴けないです。予備知識がなければ意味が解りません。逆に豊富な知識が邪魔をして、「そんなことわかっている」と話を聴けないこともあります。聴こうと意識しなければ聴けないです。興味関心がなければ聴けない。知らない人、嫌いな人の話を聴くか?悩ましいですね。聴けないことばかりです。そもそも訓練を積まなければ、肝心な時ですらなかなか聴けるものではありません。相手の本心が本当にわかったか?難問です。とはいえ、より効果をあげるためにも、少しずつ意識的に聴く、訊く、傾聴する努力をしていきましょう。

 

関連記事

  1. 理事長ブログ「忘己利他」21
  2. 理事長ブログ「忘己利他」46
  3. 産能マネジメントセミナーに当法人理事長が登壇
  4. 「@人事」ウェブサイトに当法人理事長のインタビュー記事掲載
  5. 理事長ブログ「忘己利他」42
  6. 理事長ブログ「忘己利他」25
  7. 理事長ブログ「忘己利他」15
  8. 当法人理事 宮地一女のインタビュー動画

カテゴリー

月別アーカイブ

PAGE TOP