理事長ブログ「忘己利他」41

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

第41回 ビジネスコミュニケーション 要(かなめ)は説明力

話力総合研究所 理事長
広島県福山市 指導者話力塾

~ その一 徹底的に準備する ~

 

 自身のコミュニケーション能力を向上させたいと考えている人は少なくないようです。ビジネスの世界では、特に問題意識を持っている人、大いに活躍している人の中に多いですね。ひとことで職場の「コミュニケーション」といっても、課題は人それぞれです。効果的な指示・依頼のしかたを身につけたい。説得力、交渉力を高めたい。部下がやる気をなくさないよううまくしかりたい、注意したい。部下をほめても良いのだろうか。図に乗らないだろうか。失敗などのよろしくないことを適切に報告する方法はないだろうか? 等々。私どもの話力講座を受講くださる方は、それぞれこうしたテーマをもっていらっしゃいます。

 「ビジネスコミュニケーション」の主な要素は、指示・依頼、説得、報告、称賛、忠告です。そしてこれらの要素のすべてに必要な共通の要素が「説明」です。したがって、説明はビジネスコミュニケーションの「要(かなめ)」の要素です。説明力を高めることが、職場のコミュニケーションをよりよくすることにつながります。

 効果的に説明するためには、まずは準備が大切です。準備のポイントはふたつ。自分が説明する事柄を十分理解する。そして、説明する相手の理解度を把握することです。

① 自分が理解する

 自分が十分わかっていないのに、相手にわからせることはできません。自分ができるだけ理解することが大切です。効果をあげたいなら、十二分に理解すること。十分では足りないくらいに考えてください。「氷山の一角」ということわざがあります。明らかになったことは、物事全体のわずかな部分だというたとえです。実際に氷山は、見えている部分の10倍程度の氷が海面に沈んでいるそうです。説明をするときも実際に話すことの10倍くらいの準備が必要だと私は考えています。これを勝手に「氷山の原理」と呼んでいます。話そうと予定していることをすべて話せますか? スピーチやプレゼンで一生懸命準備して臨んでも、予定したことが十分に話せず、首をかしげたことはありませんか。あるいは、話した内容に関連した他のことを質問されたら、ハタと困ってしまいますね。内容的な余裕しろを持つ必要があるのです。これだけ話そうと思ったら、その内容の十倍以上、広く深く関連する事柄を調べておく必要があります。

図 氷山の原理

 ところで、十分に準備しましょうとお話ししますと、全文原稿を書いて一字一句暗記しようとする方がいます。これはあまりよい方法とは言えません。暗記しますと、話していても原稿を読んでいるような印象を聴き手に与え、十分に伝わらないことがあります。また、おおぜいの前で緊張して話していますと、途中でぱっと暗記した内容が消えてしまうことがあります。また、忘れてはたいへんだという思いが余計に緊張を生むことになります。暗記ではなく、内容を理解し、消化するように準備してください。

 一つの方法として、物事を関連づけて理解できるよう説明する内容を構成しておくとよいですね。例えば、地元の「祭」について説明するとします。祭の由来、催しの内容、祭の参加者、見物客、地元の意気込みなどですね。新製品の説明であれば、製品の特長、従来製品との違い、開発に苦労した点、新製品への期待などと関連づけて話したらいかがでしょうか。

 ② 相手の理解度を知る

 どんなに自分が理解していても相手にわからせるのは難しいですね。学校の先生が学生や生徒たちに十分わからせることができているかを考えればよくわかります。少なくとも相手の理解度を知って、それに対応していくことが大切です。

 まずは、説明しようとする事柄を相手がどこまで知っているかを把握することです。知っていることをくどくど話す必要はありませんね。そんなことをしてしまうと聴き手は飽きてしまい、聴かなくなります。それとともに、聴き手の理解力や意見、立場を把握することです。専門家なのか、一般の社会人なのか、子供なのか。説明しようとする事柄に対して好意的な考えを持っているか否か。経営層か、行政職か、ビジネスパーソンかなどです。事前に確認することができればいいですね。できない場合は、その場で説明するときに質問をして把握するとよいでしょう。どうしても十分につかめない場合は、原則として義務教育終了(中学生が理解できる)レベルで話すとよいでしょう。

 それから、どこまでわかったか確認しながら話すことです。一方的に話しても効果は上がりません。話の段落ごとに、話についてきているか、聴き手の反応を確認します。ポイントでは、質問を投げかけるなどして、わかっているかどうか確認するようにします。

 自分が十分に理解した内容を相手の理解度に応じて、効果的に話す。そのために徹底的に準備する。努力は必ず実ります。説明力をつける努力を続けましょう。

 

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