理事長ブログ「忘己利他」53

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

第53回 一人でできることは限られる

話力総合研究所 理事長

話力総合研究所 理事長
NHK首都圏ネットワーク

~ 人生は説得の連続 ~

 「一人でできることは限られる」それはそうですよね。何から何まで自ら行おうとしても無理があります。同時に行えることは限られます。ですから、誰かに協力を求めたい。そこで、これまでお話ししてきたように、指示したり、依頼したりするのですね。しかし、相手にも都合や事情があります。すぐに応じてもらえるとは限りません。断られたり、ためらわれたりすることもあるでしょう。それでも、何とか協力を求めたい。力が入ります。時には、強制してしまったり、口論になったりしていませんか? 米国の独立宣言の起草者の一人であるベンジャミン・フランクリン(1706~1790 政治家・科学者)は「口論は誰にでもできるゲームだが、双方とも決して勝てない奇妙なゲームだ。」と言ったそうです。フランクリン先生流にいえば、「強制や口論は誰にでもできるゲームだが、勝利者はいない。たとえ相手を屈服させたとしても、納得はしていない。」ということでしょうか。

 だいぶ前のことです。外務省の高級官僚と大臣との軋轢が表面化したことがありました。当時のT大臣は歯に衣着せぬ物言いで、国民に人気がありました。おそらく、官僚に対してもその調子で、強烈なことばを浴びせたのでしょうか。官僚にもプライドがありますから、罵声を浴びせられたらたまりません。ますます大臣の言うことを聴かなくなったのでしょう。T大臣もエスカレートして「外務省は伏魔殿のようなところだ」と言ってしまいました。こうして外務省内のゴタゴタが表面化したのです。その時に、ある外務大臣経験者が取材に応えて言いました。「ののしるだけでは人は動かない」と。

 強制されて、あるいは口論に負けて、しぶしぶ説得に応じたとしても、「今に見ていろ。。。」などと思いませんか。たとえその場はおさまっても、こういう思いを持たれては、総合的には、あるいは長期的にはマイナスです。できれば、納得して、自発的に協力をしてもらえるように、「しむける」「うながす」「その気にさせる」工夫が必要ですね。

 本来の「説得」とは、「指示・依頼を断ってきた相手、実行することをためらっている相手に対して、目的を果たすように促すこと」です。指示・依頼すべき事柄について十分に説明し、知的に理解させます。しかし、場合によっては、相手にも事情や都合がありますから、「話はわかったけれど。。。」と断られるかもしれません。そこで、相手の気持ちにも働きかけて情的に感化させ、心を動かし、納得させるのです。なるほど、そういうことであれば私が行いましょうと自発意思を起こさせる。これが説得ですね。

説得

図.説得=説明+納得

 

 

 

 

 

 一人でできることは限られます。ですから、人生は説得の連続です。そして説得の効果を高めるためには、説得力をつけること。すなわち話力を磨くことが肝要です。ともに磨いていきましょう。

 

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