理事長ブログ「忘己利他」55

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
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第55回 説得に成功するための秘訣

理事長あいさつ

話力総合研究所 理事長
あいさつ

~ 作戦を立てよ! 道具を持て!! ~

 こうすれば必ず説得が成功するというノウハウはありません。まことしやかに、「必ず成功する説得術!」などとうたっているハウツー本もありますが、怪しいですね。なぜなら、説得する相手は皆違うからです。性格も考え方も事情も異なるのですから、一律にこうすれば必ずうまくいくというわけにはいきません。

 しかし、説得の効果が上がったとき、どういう方法で行ったかを知ることは、参考になります。説得に成功した時は、概ね次の方法のいくつかを採用しています。ですから、こうした方法をぜひ生かし、説得に成功するための作戦を立てて行動してください。

① 説得点を発見する

 「話すな話させろ。断る理由が説得点」といいますね。理由を聴かずに、理由を尋ねずに、一方的に話しても効果的ではありません。「下手な営業マン(営業パーソン)ほどよく話す」と言われるゆえんです。相手の話を引き出し、断る理由を確認します。効果的に説得するための作戦をたてましょう。

② 注目させ、興味を持たせる

 「耳よりの情報があるのですが」「ちょっと小粋な店見つけたのですが。。。」などと注目させ、興味を持たせます。話を聴かせるようにしむけましょう。営業戦略や販売戦略の研修を受けると、「AIDMAの法則」がでてきます。もともとは米国で1920年代に提唱された広告宣伝に対する消費者の心理プロセスを表した略語です。いまだに色あせず、使われています。消費者が商品を購入するまでには、次のような段階があると言っています。

 Attention(注目する)

 Interest(興味・関心を持つ)

 Desire(願望。購入したいと思う)

 Memory(記憶にとどめる)

 Action(行動する)

 ですから、説得する際は、注目させ(A)、興味関心を持たせ(I)、ほしいと思わせ(D)、印象に残して(M)、行動(A)を起こさせるとよいですね。

③ 方法や結果を示す

 説得を受けた相手は、求められた事柄が「難しいのではないか?」などと不安に思うこともあるでしょう。また、「応じた場合、どうなるだろうか?」心配でしょう。こうした不安感を取り除くことが必要です。

 皆さんは突然「頼みがあるんですが、受けてくれませんか?」と言われたら、どうなさいますか?すぐに、「いいですよ。」と受けますか?そんあことはないでしょう。どんなことなのか心配ですね。予防線をはりませんか?「どんなことですか?」尋ねますね。「ちょっとこの荷物を倉庫まで運んでほしいのです。」「今日の議事録とってほしいのです。」ということでしたら、「あっ、そんなことでしたら。わかりました。引き受けます。」ということになるのではないですか。相手に不安を与えないよう方法や結果を示すとよいですね。

④ 自発的意思を起こさせる

 人は一般に他人に動かされるのを嫌う傾向にあります。どちらかと言えば、自ら自由に動きたい。ですから、強制させられたと思わせないよう、「他動」(他人に動かされる)をことばで「自動」(自ら動く)に代える配慮や工夫が必要です。

 たとえば、職場の中村(仮称)さんに職場の問題の改善策を講じるようにしむけるとします。中村さんを呼んで言います。「うちの職場には、こうした問題があるよな。」突然の話に中村さんは少々うろたえながらも「そうですね。」「どうすればいいかな?」突然、尋ねられても、なかなかこたえられるものではありません。「そうですね。。。」「こういう方法はどうかな?」中村さん、少し考え、なるほどと納得します。「それはいいと思います。」「では、頼むよ。」自分で納得し、肯定したわけです。少なからず、強制されたという意識は弱まるのではないでしょうか。

 参考までにいくつかの方法をあげておきます。相手に応じて、目的やその場の状況にあわせて工夫してください。

・不安感をあおる

 都心のある道路に次のような看板が立てかけられていました。「ここを横断しますと、万一の場合、保険金が支払われないことがあります。xx警察署」

あるいは、病院で「きちんと薬を飲んでくださらないと、入院ですよ。」

 相手の不安感をあおり、行動を起こさせようとしていますね。

・幅を持たせる

 相手に選択肢を残しておくと強制されたという意識が弱まります。「2つタイプがあります。こちらは新商品。もうひとつは一世代前の商品でお安くなります。どちらになさいますか?」といった具合です。

・プライドをくすぐる

 「お客さま、お目が高いですね。」「お客様はお若く見えますね」などと言われると気持ちよくなって、ついつい相手の言い分を聴いてしまいませんか?

・締め切りをせまる

 「キャンペーン期間中の今なら半額です。キャンペーン期間を過ぎますと、通常価格での販売です。」などと紹介されますと、「今買わなければ」と思いませんか?

・その他

 励ましたり、「考えておいてください」と時間をおいたり、相手の条件に応じたり、長期的に信頼関係、人間関係を損なわない範囲で「自発的意思を起こさせる」工夫をなさってください。

⑤ 補助力を活用する

 何か頼みごとをするときに、贈り物をしますね。雰囲気作りに大切な要素ですが、あくまで補助力、基本は話力です。

⑥ 第三者を介する

 知らない人、あまり話したことがない人に直接説得しようとしても効果的ではありません。相手と好意的な関係にある人に依頼して説得してもらうほうが効果的です。説得を受ける側の人間関係なども見極めて、効果的な方法を見出してください。

⑦ 充足感を持たせる

 説得を受けてくれたら、結果が出たら、少なくともひとこと「ありがとう」を忘れないでください。次につなげるためにも大切です。忙しいとついつい忘れがちです。しかし、忘れがちなのは自分のみ。相手は覚えていますよ。「頼まれたから、忙しいところがんばったのに。引き受けたら、お礼のひと言もないんだから。」と思われないように。手を抜いてはいけません。

 

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