理事長ブログ「忘己利他」58

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
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第58回 ほめて育てる

話力総合研究所 理事長
スピーチ指導

~ ほめ上手になろう ~

 「ほめると部下が図に乗るからほめない!」「ほめる」ということに対して、このような考えを持っている職場のリーダは少なくないかもしれません。これは誤解です。もちろん受け止め方の問題がないわけではありません。しかし、多くの場合、効果的にほめていない結果だと考えています。「ほめる」を「おだてる」「お世辞を言う」「ちやほやする」ことだと思っていれば、確かに「図に乗せてしまう」かもしれません。違いますね。「ほめる」とは「相手の価値を認める」ことです。「ほめる」ことが人を育てることにつながるということは前回お話ししました。

 皆さんは周囲の人をほめていますか?また、周囲からほめられていますか?いろいろな職場でアンケート調査をしてみると、職場のリーダが「ほめている」と答えても、その部下たちは「ほめられていない」と答えるケースは少なくありません。効果が出ていないのですね。

 効果をあげるために考えていただきたいことをお話しします。

 まずは、「あたりまえ」はほめないですね。医師に「病気のことよく知っていますね」歌手に「歌うまいですね」弁護士に「法律に詳しいですね」などとは言わないでしょう。あたりまえをほめると、相手には「ばかにされた」「茶化された」というメッセージが伝わりますよ。

 次に、自分を基準にしてほめていませんか?「あたりまえ」の基準は人それぞれです。私事ですが、若いころはコンピュータのシステムエンジニアとして仕事をしていました。10年ほど経験を積みましたので、キーボードは両手でパチパチ打てます。私のキャリアを知っている知人がそれを見ていて「秋田さん、キーボード両手で打てるんだ!すごいね」とほめてくれました。自分は打てないけど、秋田は打てる。自分基準なのです。ほめてくれたのだと理性ではわかるのですが、気持ちとしては「私にとっては当然のことなのに」という思いがありました。相手の基準にしたがってほめないと、相手に戸惑われて効果が半減するということを理解してください。また、自分基準では、部下をほめられなくなりますよ。なぜか? リーダである皆さんの方が経験積んでいるのですから、できてあたりまえですね。「仕事のできる上司ほど、部下をほめない」ということがあるとすれば、自分基準だからです。

 ほめるときは相手基準でほめましょう。相手ができていなかったことができるようになったら、ことばにして相手に伝えるのです。

 3つ目はほめことばを知らないと、タイミングよくほめられません。日頃から、ほめことばを仕入れる努力をしてください。皆さんは、自分の良い点をいくつあげられますか? 書いてみるといいですね。10ですか?20ですか?30ですか?自分すらほめることができなくて、他人をほめられますか?まずは自分をほめることば30以上が目標です。

 他人をほめるとき、良い方法があります。ほめるべき事実を伝えて、ひとこと添えるのです。「~、いいね」「~、がんばったね」「~、よくやったね」「~、ありがとう」「~、うまくいったね」「~、さすがだね」「~、助かったよ」「~、うまいね」「~、すごいね」

 いかがですか。これなら、タイミングよくほめられますね。ほめるは、相手の価値を認めることですから、事実をほめてください。「おせじを言う」「おだてる」は事実ではありません。この違いを意識なさってください。

 そして、実際にほめるときは、次の原則を守ってください。

① 事実を具体的にほめる

 「その服似合ってますね」これでもことばに出さないよりは出したほうがいいです。しかし、もう一歩踏み込んでください。どこがどうよいのか具体的に伝えると、本心から言ってくれているんだというメッセージが相手に伝わりますよ。

② タイミングよくほめる

 「そういえば、昨年の今頃だったね。君のプレゼンよかったよ」 1年もたってからほめられても実感がわきません。相手の良さ、相手の価値に気づいたらすぐに、タイミングよくほめてください。

③ オーバにならない

 だいぶ前になりましょうか、「ほめ殺し」ということばが流行りました。あまりにもオーバになると、効果的ではありません。「からかわれている」「バカにされた」などという印象を与えては逆効果です。適切な表現を心がけてください。

④ 相手の気づかない点をほめる

 相手がほめてほしいと思っているところは必ずほめる。それに加えて、相手が気づいていない良い点をほめる。気づかせる。成長につながります。

⑤ 間接的にほめる

 直接ほめると、お世辞と思われてしまうかもしれません。例えば、相手に伝わるように第三者を介してほめます。自分がいないところでもほめてくれていると思わせると、お世辞と思われないで効果が上がります。また、「この文章、添削してくれませんか?」「スマートフォンを購入したいのですが、どんなもの購入したらいいですかね?」などと依頼したり、教えを乞うとよいですね。そのことに長けている、詳しいと思っているというメッセージが相手に伝わり、間接的にほめている(相手の価値を認めている)ことにつながります。

 日頃はほめて育てる。ほめ上手になってください。

 

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