理事長ブログ「忘己利他」70

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

第70回 おおぜいの前で話す力をつけるには

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 多くの人がおおぜいの前であがらずに話したい。効果的に話したい。皆が注目するように話したいなどと思っているようです。

 一方で、話せる人は特殊な人と思っていませんか?「俺はダメだけど、お前は図々しいから大丈夫」などと言っていませんか? 私は、話の勉強を始めた直後からスピーチの依頼が増えました。同僚や友人の結婚式の披露宴です。依頼されたとき、必ず「私でいいのか?」と尋ねました。たいていの返事は「他にいないんだ。君のように口八丁なやつ。」「口八丁」とは失礼ですよね。人知れず努力して話せるようになっているのですけれど。。。「特殊能力」と思われていたのかもしれません。

 しかし、そんなことないですね。1:1なら話せますね。1:2はどうですか?1:5は?1:10、20、30?どこで線を引きますか? 本来、誰でもおおぜいの前で話せるのです。私は、「おしゃべりのできる人は、必ずおおぜいの前で話せる」と言っています。話せるか、話せないかでいえば、話せますね。要は効果があがるかどうかです。効果を考えると、慣れている人の方が問題があるかもしれません。長々と聴衆が望まない話をする人が目につきます。

 効果的に話す力をつけるには、どうすればよいか? やみくもに磨こうとしても思うようにはいきません。一方的に話してしまったり。長々と話したり。目的と関係ないことを話したり。変な癖をつけてしまいがちです。

 まずは、自らの「話力」を高める努力が必要です。話力を高めるには、話力の三要素をそれぞれバランスよく高めるのでしたね。話力の三要素は? そうですね。心格力、内容力、対応力です。第10回から12回に、話力の高め方についてお話ししていますので、もう一度ご覧になってください。そして、おおぜいの前では、心格力としての「品位」、内容力からくる「余裕」、対応力としての「気迫」を意識しましょう。

(1)品位を磨く

 品位を磨くためにはまずは教養を高めること。「教養」というとたいていの人は知識と考えるかもしれません。いわゆるacademic intelligenceですね。ここでいう「教養」はsocial intelligenceです。社会性を磨くことです。常識、良識を身につける。倫理観を持つ。独りよがりにならないよう問題意識を持つ。他人を意識する。そして、謙虚に、誠実にですね。言行一致が大切です。おおぜいの前で「ルールを守りましょう」と話した本人が、会場を後にして、会場前の交差点で信号無視をしていた。「あいさつをしましょう」と講演では話すのに、自ら先にあいさつをしているところを見たことがない。「相手の良いところを見つけ、ほめるようにしましょう」言っている本人がまったく人をほめない。これでは説得力がありません。

(2)余裕を持つ

 話の内容に自信を持てれば、落ち着いて話せるはずです。余裕を持てると、話しながら自分の話を順序だてて整理することができます。話している自分の話を聴くことができます。話している自分の話を聴きながら評価して、軌道修正することができます。

 そのためには、徹底的に準備です。第41回にお話しした「氷山の原理」を実践することですね。たとえどんなに準備しても暗記するのでは途中で破綻しかねません。理解することが大切です。そして理解のレベルをあげましょう。

 理解のレベルには言語的理解、論理的理解、絵画的理解、行動的理解、納得的理解があります。言語的理解は、例えば「コミュニケーションとは、ことばや文字などを介してお互いの意思を伝達しあうこと」などと、ことばで理解することです。論理的理解は、ことばの関係性で理解することです。例えば、「トランプの4種類の絵札から1枚持ってきました。このカードは、ハートでも、クラブでも、スペードでもありません。」 持ってきたカードはダイヤだということがわかりますね。絵画的理解は頭の中に絵を描けるほどに内容を把握することです。行動的理解は体が自然に動くほどに、ものごとを定着させることです。納得的理解は「なるほど」と腑に落ちている状態ですね。できることなら、言語的理解、論理的理解から絵画的理解や行動的理解、納得的理解まで深められれば、ゆとりをもって話せるようになるでしょう。

(3)気迫で話す

 「これだけは言おう。これだけはわかってほしい。」と強烈に思えるときは、なんとか話せるものです。ですから、おおぜいの前で話す時は、そういう気持ちになるとよいですね。否、そういう気持ちに自らを奮い立たせるのです。しむけるのです。「俺がやらねば誰がする。俺が言わねば誰が言う。」「今やらねばいつできる。今言わねばいつ言える。」そういう気迫をこめて、役割を果たすようがんばってください。

 

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