理事長ブログ「忘己利他」N6

ビジネスコミュニケーション「仕事がはかどる話し方のコツ」
 ◆よりよく生きるためのツール ~ 究極のコミュニケーション能力を磨く ~

改訂第2版「5.会話をはずませ、仕事に生かせ」

話力総合研究所 理事長

話力総合研究所 理事長

(1)会話は話材のキャッチボール

 楽しい会話は、好意的な人間関係を築く基本です。相手と楽しくおしゃべりできれば、気持ちがほぐれ、相手に対する親近感が増しますね。

 また、企業、団体のコミュニケーション研修で相談を受けることの一つに、「会話をはずませるにはどうしたらよいか?」があります。お客さんや取引先のところへ行って、まずは雰囲気作りをしたい。けれども、気の利いたことが言えない。特に、はじめての訪問の時に苦労する。時々、こうしたお話をうかがいます。そうですね。最初から目的としている話に入っていくと、どうもぎこちなかったり、ぎくしゃくしたりしますね。相手にも唐突な印象を与えかねません。まずは、たわいもないおしゃべりでよい雰囲気を作る。そして、頃合いを見計らって、目的とする話題に入っていく。

 では、どうすればよいか?ですね。会話は、話の材料のキャッチボールです。話の材料のことを「話材」と言います。話材のうち、キャッチボールをしたもの、話した話材を「話題」と言います。会話をはずませるためには、この話材のキャッチボールができること。投げかけられた話材に対して、投げ返すことができること。あるいは、投げ返してもらえるような話材を投げることがまず第一です。そしてこの話材のキャッチボールを継続すること。その結果、お互いに「楽しい」「心地よい」「おもしろい」などといった肯定的な感情を持つことができれば会話は成功です。

図 会話のキャッチボール

 投げかけられた話材に対して、投げ返すことができなければ、それこそ話になりません。日頃から広く話材を仕入れる努力をなさってください。何事にも興味、関心、好奇心を持つこと。これはと思う話材を見つけたときに、忘れないようにしましょう。日頃から書き留められるようメモなどを準備しておくとよいですね。一方、自分が投げかけるときには、投げ返してもらえるような話材を投げることが大切です。自分の興味、関心のある話材を一方的に投げかけても、投げ返してもらえる保証はありません。どちらかと言えば、相手が興味、関心を持っていそうで、自分も知っている話をするとよいでしょう。

 とはいえ、初対面の場合、相手がどのようなことに関心を持っているかわかりませんね。その場合は、「共通の話題」から入ります。誰もが知っていそうな次のような話題です。「タノシキ(楽しき) カイワニ(会話に) ミナ(皆) ツドウ(集う)」と語呂合わせで覚えておきましょう。日頃から、こうした話材を仕入れておきます。そして、これらの話材を投げかけながら、相手の興味、関心を探っていくのです。相手の興味、関心の所在が分かれば、その話題を中心に話していくとよいですね。

タ 旅の話題

ノ 飲む。お酒の話。居酒屋の話。

シ 出身地、出身校の話。

キ 気候。天気の話。

カ 体。健康の話。

イ 生きる。人生。夢

ワ ワーク。仕事の話。

ニ ニュース。最近巷で話題になっていること。

ミ 店。レストラン、衣料品店、スーパ、デパート、雑貨店などの話。

ナ 仲間。共通の友人、知人の話。

ツ 妻、夫、家族の話。

ド 道楽。趣味の話。

ウ 運動。スポーツの話。

 

 会話をはずませ、日常や仕事に生かしていきましょう。

(2)楽しい会話のための作法

 会話は話の材料「話材」のキャッチボールだとお話ししました。このキャッチボールを継続し、話に参加している全員が「楽しい」という気持ちになればよいのです。それには、それなりの作法、すなわちルールがあるのです。会話と言えどもこのルールを守らないと、自分だけが楽しんでいる、ひとりよがりのおしゃべりになりかねません。人間関係にも悪影響を及ぼしかねません。注意しましょう。

 会話のための作法は、まず第一に、話を途切れさせないようにすることです。ぶつ切りにならないように気を配ってください。「ご出身は?」「岩手です」「岩手県のどちらですか?」「盛岡です」「盛岡は?」「市内です」これでは、会話がはずむはずがありません。問いかけられたら、話を切らずに返してあげるように心がけてください。会話が苦手だと思う人の多くは、この点に工夫がないのです。「ご出身は?」「岩手県の盛岡市内ですけれど、あなたは?」少なくとも、このように返してあげれば、話が続きますよ。

 それから、話がかみ合うように気を配ってください。隣人が旅行に行き、おみやげを届けてくれた。「九州に行ってきました。」「私は先日、北海道に行きました。」これでは、話が平行線です。相手が先に話を始めたのですから、しっかりその話を受けとめてください。そして、「九州はどちらにいらしたのですか?」などと返してあげれば、快く会話が成り立ちます。

 家庭内でも同じですよ。子供が「グローブ知らない?」「勉強しなさい!」 ご主人が「新聞どこだ?」「お父さん、暇だったら庭の手入れぐらいしてください!」これでは、家庭内もぎくしゃくしかねません。いろいろ言い分もあるでしょう。しかし、ぐっとこらえて、少なくとも相手の問いに答えてからですね。

 第二に、話材に気をつけましょう。全員が楽しくなるような話材を選択することです。特に気をつけたい話材は、不平、不満、愚痴、悪口、泣き言、説教、個人攻撃、誰かが言い訳を必要とする話などです。自分はリフレッシュできても、聴いている側は辛いものです。反対の立場に立てばわかりますね。

 第三に実際に話す時のルールです。次のことに気を配りましょう。

① 話を独占しない

 一般に人はみな話したいものです。聴いているだけで面白いはずがありません。会話に参加している全員が平均的に話せるようにしたいものです。特に話し好きな人、慣れている人、話材が豊富な人は、話を独占していないかふりかえってみましょう。こうした人は、できれば、話を周囲に振っていく役割を担うとよいですね。

② 聴きまねを避ける

 聴いているふりをしていても、話し手にはわかるものです。聴く時には「傾聴」を心がけましょう。あいづちをうちながら、反応を示して、にこやかに聴くように気を配りましょう。

③ 話の腰を折らない

 気持ちよく話しているときに、途中で話を取り上げられたら面白くありません。知人の女性から聴いた話です。ある職場の休憩時間に女性どうしでディズニーランドに行った話をしていたそうです。そこに同僚の男性が話に入ってきてひとこと「まだ、そんな子供の行くとこ行っているのか!」 その女性は私に「せっかく、楽しくおしゃべりしていたのに、ひどいんですよ!」とこぼしていました。

 せっかく話しているのに、「そんなはずない」「何言ってんだ」など、相手の話を遮らないようにしましょう。

④ あげあしをとらない

 「あげあしをとる」とは、ことばじりをとらえたり、言い間違いをからかったり、避難することです。

例えば、「ご飯炊いて?」「お米を炊くのでしょ。ご飯炊いたらおじやだよ」

「お湯沸かして」「お湯なら沸いているよ。水を沸かすんだよ」

「やかんに火をかけて」「やかん燃やすのか?」

「テレビ小さくして」「テレビ小さくしたら壊れちゃうよ」

などです。意味は解りますから、あえて誤りを指摘されると不快ですね。

 

 いかがですか?「輪の中に君がいて和声わく、我も楽しく、君も楽しく、皆楽しい」こういう会話ができればよいですね。いえ、こういう会話ができるよう心がけましょう。「君は君 我は我なり されど仲良き」 小説家の武者小路実篤のことばです。楽しい会話を通じて、よりよい人間関係を築き、日常や仕事に生かしていきましょう。

 

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